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脳が先に決めている

心理学・脳科学から見た、プロモーションの土台。

プロモーションの結果を判断するのは、いつも「人」です。だとすれば、心理学や脳科学の知識も欠かせないのではないか―― そう考えて学びはじめたときの、驚きをまとめたコラムです。

心理学と一口にいっても、専門的にはかなり広範囲で、とても全てを理解できる状況ではありません。 それでも少しかじってみて、これまで自分が思っていたことと、だいぶ様子が違うことが分かってきました。

Perceptionものを見ているのは、目ではなく脳

五感(あるいは六感)といわれる感覚器官が受け取った情報は、電気信号に変えられて脳に伝わり、 認識や記憶になります。そして脳は、その経験値をもとに判断し、指令を出す―― 知覚から行動まで、かなり長い手順を踏んでいます。

「ものを見るのは目ではなく、脳が見ている」とも言われます。 実際に光を受けているのは目の網膜ですが、網膜が見ているわけではありません。 そもそも目のレンズは凸レンズなので、理科の実験を思い出せば分かるように、 網膜には上下がさかさまの像が写っています。それを脳が画像処理して、見ている。 錯覚は、この画像処理の部分で起きます。網膜に映る光は変わらないのに、 脳が作り上げた画像として認識するからです。

目のレンズが網膜に逆さの像を結び、脳がそれを画像処理して正しい向きの像として認識する図
網膜の像はさかさま。「正しい向き」は、脳がつくり出している。

脳は、自分が何もしていない時でも、見えているもの・聞こえてくるもの・肌で感じるもの・手がいまどの位置にあるか、 といったことを常に監視し続けているようです。

Judgement判断するのは、いつも脳が先

この監視は、判断にも影響します。たとえば初対面の人と相性が良いか悪いかは、 最初の 0.02 秒で判断されていて、そこに「考えて判断する」ようなプロセスはありません。

これは、まだ人間が野生動物だったころの名残です。 ライオンにいきなり出くわしたら、逃げるか戦うしかない。 「現状の把握と対策」なんて考えていたら、命がありません。 この脳の判断は現代でも生き続けていて、ダイエット中なのに美味しそうなスイーツの店を見ると、 野生動物と同じように「高カロリーのものを、できるだけ多く食べる」という判断で、つい食べてしまう。

感覚から入った情報を脳が約0.02秒で判断し、そのあとで意思が従うか抑えるかを決める順序の図
「自分の意思」は、脳の判断のあとに来る。

マシュマロ実験が示すもの

心理学で有名なマシュマロ実験でも、同じことが現れています。 何もない部屋にマシュマロを1個だけ置き、「食べたければ食べていいよ。でも先生が戻ってくるまで我慢したら、もう1個あげる」と言って、 4歳前後の子どもを1人残す。ここには大変な葛藤があります。 我慢できた子どもは、後ろ向きに座ったり、マシュマロを見ないようにして耐えたそうです。 脳が瞬間的に「欲しい」と判断する対象を、視界から外していたわけです。

目の前のメリットをとるか、少し先の大きなメリットをとるか。 この傾向は、その後大人になっても変わらないといわれています。

Biasメリットに楽観的、デメリットに過剰反応

脳の判断には、はっきりしたクセもあります。メリットには楽観的で、デメリットには過剰に反応する。 たとえば殺虫剤で、

  • 「99.99% 人体に悪影響はありません」
  • 「1万人に1人は、生死に関わる場合があります」

と書かれていたら、どうでしょう。たとえ1億人に1人だとしても、 後者の表記なら買う人はいなくなると思います。 伝える中身が同じでも、脳の受け取り方はまったく違うのです。

「自分の頭で考える」といっても、実際には脳が先に判断していて、 その判断に従うかどうかを、自分の意思でコントロールしている――そう言うこともできます。

Inertia心理的な惰性も、脳に備わっている

過去の経験が忘れられない、心理的な惰性が働く――これも脳に備わったものらしいです。 生命体として考えれば当たり前で、過去の経験とは「生き延びてきた経験」だから、 脳はそれを正しいこととして扱います。

だからこそ、これを変えるには気持ちや意識だけでは難しい。 そもそもその経験をしていない人に代わってもらうなど、 これまでと違った取り組みが必要になりそうです。

脳がどのように瞬時に判断してしまうか。自分の意思の強弱だと思っていたことが、実は脳の判断だったこと。 こうした視点も踏まえながら、最適なプロモーションを目指したいと考えています。

WRICORDEE の視点

プロモーションは、正しい情報を並べれば伝わる、というものではありません。 受け手の脳がどう判断するかを前提に、言葉・見せ方・順序を設計する必要があります。 WRICORDEE は、リスクの伝え方や現場の心理障壁の扱いを含めて、その設計をお手伝いします。

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