無理難題を前にしたときの発想の転換について、TRIZなど発明技法にもつながる考え方を綴ったコラムです。
無理難題、到底できそうにない目標を言われたら、どうしますか。 「まずは、どうしたらできるか考えてみます」――そう答える人が多いと思います。 まじめで、いかにも前向きな姿勢です。ところが、これが曲者です。
Trap30分考えるほど、思考は止まる
試しに、無理な目標について30分間考えてみてください。 営業部門なら「来期の売上目標は前年実績の3倍」、開発部門なら 「性能3倍・サイズ1/2を1年以内に製品化」。 現実的には不可能で、「何でこれが目標なんだ」「そもそもできるなら、とっくにやっている」―― 考えれば考えるほど、頭に浮かぶのはこうした言葉ではないでしょうか。
この30分は、実現に向けた思考が進んでいるようで、実は止まっています。 反論、反発、「そもそもこれができると、上の人たちは分かっているのか」という不満。 たどり着く先は、たいてい堂々巡りです。 今までなかったことを考えるのは、並大抵のことではありません。 経験からは想像もできないことを、ゼロから思考すること自体が、そもそも難しいのです。
Reverseでは、どうしたらよいか
出来ない理由を、とにかく出し尽くす。 どうすればできるかは思考できなくても、出来ない理由なら、誰もがすぐに出すことができます。
売上3倍であれば、「競合が出て価格勝負にならない」「納期が掛かり過ぎる」「性能で見劣りする」 「生産能力が無い」「営業マンが足りない」――。 商品開発であれば、「開発リソースが足りない」「必要なデバイスが小さくならない」「コストが掛かり過ぎる」――。 出来ない理由というのは、言わば言い訳であり、関係者全員から、いくらでも出てきます。
正に、この「出来ない理由を並べる」ことこそが、とても重要です。
Risk言い訳は、リスクの棚卸しである
全員から山ほど出てきた言い訳の一つひとつは、目標達成の阻害要因であり、 将来の不確実性要素――リスクです。 リスクと聞くと、損失や損害といったマイナスのイメージを持つかもしれません。 しかしリスク本来の意味は、将来の不確実性要素と、その「幅」のことです。 幅というのは、マイナス側だけでなく、プラス側にもあります。
出てきた言い訳リストは、いわば不確実性要素の洗い出しであり、 そのマイナス側の説明がついたものにすぎません。 この不確実性要素を整理し、課題とすれば、あとはこの課題を一つずつ解決していくだけです。 課題として整理できれば、その解決手法は、TRIZなどの発明技法によって導くことが可能になります。 すべての不確実性要素がマイナスからプラスに転じれば、不可能だと思っていたことが実現します。
Shortcut実現不可能を、実現に変える近道
実現不可能だと思う目標が出たら、出来る方法を考えるのではなく、出来ない言い訳を並べる。 これが、実現への近道と言えるのではないでしょうか。
「できない理由」を100個挙げられるチームは、裏を返せば、 目標を阻む不確実性要素を100個も洗い出せたということです。 あとは、その一つひとつを課題として片づけていくだけ。 無理な目標を前にしたときほど、まず「できない理由」から始めてみてください。
WRICORDEE の視点
「できない理由」の棚卸しは、リスクを構造化する第一歩です。 WRICORDEE は、現場から出てきた言い訳・反論を課題として整理し、 TRIZなどの発明原理も用いながら、一つずつ解決に導くお手伝いをします。
ご相談はこちら